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Answers HERE~くらしを磨くヒント~ vol.37 年に一度の総ざらい!家計の“ムダ”徹底大掃除術

2017.12.22

計画通りの貯蓄ができないまま今年も終わり…。ムダな出費をしている実感はあるけれどどこを削ればいいのかが分からない!年越し前にあなたの家計の「ダメな部分」徹底的に洗ってみませんか?ファイナンシャルプランナーの波柴純子さんに聞きました。

貯蓄シミュレーションHow to

Q. うちって使い過ぎ?手取りに対する住居費や食費の理想的な支出の割合はどれくらいなのでしょうか。老後の生活のためにいくら貯蓄しておくべきかも分かりません。

貯蓄シミュレーションHow to

A.指標にすべきは「貯蓄額」!

理想の支出の割合とされる指標はあるものの、手取り30万円に対する10%と100万円に対する10%とではかなり差がありますし、割合に合致していれば「未来は安心」というほど単純ではありません。現時点での資産状況(貯蓄とローンのバランス)や住居費などは地域差が大きかったり、それぞれの世帯の価値観による違いもあるので、家計の見直しに際してあえて指標にするのであれば「貯蓄額」です。今後必要となる額を把握して月々の貯蓄額を決め、残ったお金をライフスタイルに応じて配分する方法がオススメです。

まずは先々発生しそうな大きな支出(子どもの教育費、住宅ローンの繰上げ返済、老後生活費の不足分、車の買い替え資金など)をざっと計算します。
一見して住居費が突出している家計でもローン残債が少なく退職までにローンが完了するパターンもあれば、逆に月々の支払い額は少なくても繰上げをしないと老後まで返済が続くパターンもありますので、先々を見越したシミュレーションが重要になってきます。

老後生活費のシミュレーションHow to
高齢の夫婦二人の生活費は月額27.7万円(高齢夫婦無職世帯の家計収支2016年調査より)。厚生労働省によると世帯として受け取れる年金の平均額は年約260万円(月21.7万円)で、その差額は月約6万円です。

現役時代の平均報酬が高いほど年金額も増えますが、高収入世帯ほど老後に必要と考える生活費も多くなりがちで、いずれにせよ公的年金のみでは不足する傾向にあります。また、受給開始は65歳となるため、60歳以降収入が下がる場合は貯蓄を取り崩して生活する可能性があります。さらに、自営業などで国民年金のみに加入している場合の受給額は現時点で一人当たり年80万円弱ですので、会社員以上に老後の備えが必要です。

老後生活費のシミュレーション

教育費のシミュレーションHow to
毎年の教育費を今の収入から捻出できるのか、貯蓄を取り崩す必要があるとしたらどれくらいかを事前に計算して備えておきましょう。

教育費のシミュレーション

老後生活費と教育費の必要額を合計した2800万円を今後40~60歳の20年間で貯めるには、月々にならすと約12万円。つまり、手取りの収入を月にならして50万円としたら、貯蓄を除いた38万円×12ヶ月分の中で年間の家計をやりくりする、ということになります。もしどうしてもやりくりが厳しい場合には、資産運用や収入UPを視野に入れたアクションが必要でしょう。

また、今後子どもを持つ予定がなく、教育費がかからない世帯の場合には、外食費や旅行代などゆとり費が多くなる傾向にあります。その分老後生活費も高い水準を見込んでおき、今とのギャップに備える必要があります。

即効性あり!家計の見直し術

Q. 家計を根本的に見直して行くとしたら固定費?それとも変動費?削りやすい項目を教えてください。

即効性あり!家計の見直し術

A.節約のための手間を惜しまず、ツールや心理学の活用を!

【固定費の見直し術】
毎月定額で払う「固定費」の見直しが一番効果があります。シミュレーションや手続きが必要であったり、一時的に手間はかかりますが、いったん変更して支払いを抑えることができれば自動的に毎月節約できます。

  • 1:電力会社やスマホのプランや会社を変更することで、基本料金を下げられる場合があります。
  • 2:住宅ローンの借り換え。月々の支出はもちろん、金利分で数百万円単位のコスト削減になることもあります。
  • 3:車のローンやクレジットカードのリボ払いなどは一括返済することで、金利分がお得になります。
  • 4:保険料は目先の支払い額を下げるという視点だけではなく、必要な保障を満たしているか、将来的に保険料が上がるタイプかどうかも確認しましょう。そうすることでリスク時の出費を抑え、生涯の保険料を抑える効果があります。

【変動費の見直し術】
日々忙しい中で激安スーパーを比較するなどといった、食費や日用品の支出をコントロールするのは難しいので、ツールや心理学を上手に活用しましょう。

  • 1:キャンペーンや安売りなどで必要ないものをついで買いしがちな人は、欲しいものが明確でない状態でスーパーやコンビニに行かないようリストを作る習慣を持ちましょう。買い物に行く曜日を固定し冷蔵庫の食材を使い切るようにする、ネットショッピングの「購買履歴」や「定期便」機能を活用する、などで必要以上のストックもなくしましょう。
  • 2:悲しい気持ちの時に人はよりお金を使う傾向にあります(ギャラップ社のリサーチによると約4倍支払う)。ストレスが溜まっている時は買い物ではなく、他の解消法を考えましょう。お部屋の整理収納は気持ちもすっきりする上に「必要なものだけを買おう」という意識に繋がるのでとてもオススメです。
  • 3:クレジットカードはとても便利ですが、「買う喜び」と「支払いの痛み」を切り離す効果があり、現金と比較して多く使う原因になります。出費の感覚が麻痺している自覚がある方はリアル店舗での買い物は現金で行い、さらに「お金がなくなったらおろす」だと使い過ぎてしまうため、予算を決めて「口座からお金をおろすのは月1回!」と決めるようにしましょう。そうすることでATM手数料もセーブできます。
  • 4:クレジットカード・銀行口座を一人につきひとつに集約させることで、家計簿をつけずともお金の流れを明確化できます。

【不定期な支出・ゆとり費の見直し術】
ボーナスや臨時収入があるとつい洋服やお化粧品を購入してしまう人が多いのでは?月々の貯蓄額を差し引いた予算内で上手に配分していきましょう。

  • 1:まずはクローゼット全体にあるものを把握し、今シーズン必要なものと予算の上限を決めます。買い物に行く際は試着のみの日と買う日を別にし、本当に買うべきかを冷静に見定めること。
  • 2:服はいっぱい持っているけど着るものがない、という人はプロ(イメージコンサルタントの診断や同行ショッピング)を活用するのもオススメです。自分に似合うもの、必要なものを選べるようになるので、無駄買いがなくなります。
  • 3:趣味・娯楽については、自分を高めてくれたり、リフレッシュできるものであれば自己投資と考え、削る必要はありません。疲れてしまうようなお付き合い程度の食事会、行っていないのに会費を払っているスポーツクラブ、読まないのに買ってしまう本や雑誌などは思い切って絶ってしまいましょう。

そのほか、医療費や冠婚葬祭費など不測の出費はコントロールが難しいですが、ある程度それを見込んで予算を組み立てていくというのも大事なことです。また、人生100年時代を見据え、今後高額になるだろう医療費をセーブするためにも、安心できる人間関係を築くためにも、健康維持やコミュニティ維持のためのコストは必要経費と考えましょう。

家計の“ムダ”見直し7か条

Q. 無駄づかいを無くすために、心に留めておくべきことを教えてください。

家計の“ムダ”見直し7か条

A.

  • 1:家族がいる人はでライフイベントについて話そう。(自分ひとりで節約しても効率が良くありません。家族それぞれの目標を共有して巻き込んでしまいましょう!)
  • 2:強制的に先取り貯蓄を行う。(将来の必要額が確保できていれば、いちいち家計簿をつける必要はありません)
  • 3:固定費の見直しは手間をかけてでもやる価値があると心得る。(1回見直せば勝手に毎月差額が浮く)
  • 4:売り手のマーケティングに惑わされない。(特にキャンペーン・バーゲン・クレジットカードなど一瞬の「買う喜び」を高めるものに踊らされないこと。)
  • 5:お金の流れをシンプルにする。(口座やカードを1人1枚にすると明細だけでお金の流れが可視化できる。)
  • 6:必要なものだけで生活することを意識する。(食材・日用品・娯楽・衣類などすべてに言えること)
  • 7:自分自身を高めるものに投資する。(健康・コミュニティ・キャリアやスキルなど。将来の収支が改善します。)

あなたの家計の“ムダ”はすっきり大掃除出来たでしょうか。新年を機に気持ちをリセットし、しっかりとした貯蓄目標を立ててみるのがおすすめです。大切なのは長期的視点でのシミュレーションと、自分の使い方のクセをしっかり認識すること。お金の問題は人生と表裏一体、目をそらさずにちゃんと向き合ってみましょう。

波柴純子さん

波柴純子さん

子供が3歳の時にシングルマザーとなりお金の不安をきっかけにファイナンシャル・プランニングを学び始める。
FP資格取得・金融機関での個別相談専門部署でのアドバイザー職を経て2013年に独立し、価値観の多様化していく人生100年時代一人ひとりが安心して過ごすため、様々な働き方・家族のあり方の中で女性が持つべき金融リテラシーをテーマにセミナー・研修・個別相談を行っている。

(取材/文:Takami Okuyama)

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