2019.8.14
素朴なギモンにお答えします! 大人のビューティ相談室Vol.11くすみも吹き出物も防ぐ! 大人肌のための「正しい洗顔・クレンジング」
「オールインワンって本当に1品で済ませていいの?」など、今更人に聞けない美容に関する素朴な疑問をとことん深掘りする、“大人のビューティ相談室”。第11回目は、さまざまな議論を巻き起こしている、クレンジング・洗顔法について考えていきたいと思います。
最近、ある皮膚科医の先生とお会いした際に「いま、洗顔しないほうが肌に良いと思っている人が多くて困っている」という話を聞きました。調べてみると、たしかに「あえて洗わない美容法」が話題になっているようです。なかでも特に意見が分かれているのが、以下の2点。
これらに関しては専門家の間でも意見が分かれ、実際に「洗わないほうが調子いい」という声も聞かれます。では、正解はあるのでしょうか?
まず、お伝えしたいのは「汚れ」は残すべきではないということ。寝ているだけでも、皮脂やほこりなど、さまざまな汚れが顔に付着しています。さらに夜は日中のメイクもしっかりと落とさないと毛穴が詰まって炎症を起こしニキビ、肌荒れ、くすみ、ごわつきといった様々な肌トラブルを招きます。
ではなぜ「洗わない」「クレンジングで落としすぎないことが大事」といった、汚れをあえて残すような方法を支持する人がいるのでしょうか? それは「落とす」ことに問題があるのではなく、主に3つの誤ったケアが原因と考えられます。
洗うことに問題があるのではなく、過度に刺激を与えることによって、肌を炎症状態に導くもの。たしかにこのような洗顔だと、しないほうがトラブルを防げるかもしれません。
しっかりと汚れをオフすると、肌表面の水分や油分も不足している状態になります。洗顔後はすぐに保湿が必要。保湿を怠ることによって起こるトラブルなので、「洗ったから乾燥した」と、洗顔をやめてしまうのは論点がずれています。
界面活性剤というのは、汚れを浮かして落とすためになくてはならないものです。しかし高いクレンジング力をもつ半面、敏感な状態の人には刺激となる場合も。洗うことがダメなのではなく、自分に合うクレンジング・洗顔を見極められていないのが原因です。
ご紹介したように、実は洗顔・クレンジングをすることがNGなのではなく、洗い方や商品の選び方、さらに洗った後のケアなど、その他の要因を見直した方が良いですね。その点を踏まえて、大人肌に最適な洗顔・クレンジングを考えていきましょう。
年齢とともに皮脂量が減り、肌のべたつきも感じられなくなるため、朝は洗顔がいらないと思う人もいるでしょう。大きな肌トラブルがない場合はそれでも特段問題ありませんが、美肌づくりの観点では、やはりたっぷりの泡で洗顔して見えない汚れをオフすることが大切。汚れをオフして肌のターンオーバーを正常化することによって、くすみや毛穴といった大人肌の悩みを防げます。
泡ででてくる便利な洗顔料が増えていますが、できれば自分で泡立てて洗顔した方がおすすめです。なぜならは、泡のキメや密度が違うから。真っ白で重みのある濃密泡は、ひとつひとつの泡が小さいため毛穴や細かい汚れにも届きやすくなります。
洗顔がどうしても難しい人には、ピーリング作用のある洗顔シートなどのふきとれるタイプがおすすめです。水では落としにくい毛穴汚れも簡単にオフできます。
クレンジングはメイクなどの油分の汚れを落とすもの、洗顔は水性の汚れを落とすものが基本です。メイク汚れはしっかりクレンジングでオフして、毛穴につまった汚れなどはW洗顔でしっかり落としてあげることが理想です。
あまりメイクをしていないときや、肌が荒れているときはミルクタイプで肌に負担を少なくオフするといいでしょう。クレンジングシートは界面活性剤たっぷりで、さらに摩擦ダメージも起こるので、肌が荒れているときはおすすめできません。
洗顔だけで落ちるファンデーションが増えています。確かに高い洗浄効果をもつ洗顔料なら、メイクをほとんど落とすことができると思います。しかし洗顔料の洗浄力はそれぞれ製品によって異なるので、そのファンデーションがどの洗顔料を使っても同じような洗浄効果を得られるかという点は不明です。一番避けたいのは汚れを残すこと。今使っている洗顔料で実際に落ちるかどうか、確認してみると良いと思います。
また、「クレンジング不要。メイクも落とせます」と高い洗浄力を謳う洗顔料もありますが、同じようにメイクの濃さによって洗浄効果が異なってきます。みなさんのいつものメイクに当てはまるか分かりませんので、しっかりとメイクオフできたかどうか洗顔後に確認しましょう。敏感肌の方や不安な方はクレンジングを省略しない方が良いですね。
私自身、過去にひどいニキビに悩んでいたことがあります。そこで洗顔とクレンジングを見直すことにし、徹底的に汚れをオフすることにこだわったことで悩みを解決したという経験があります。汚れをオフすることは、美肌づくりの原点。「今日は疲れたからクレンジング・洗顔は簡単に済ませちゃおう」という日があっても良いと思いますが、それが習慣にならないよう、今一度見直してみてくださいね。
取材/文:梅野 利奈
外資系経営コンサルティング会社勤務、化粧品会社の商品企画・マーケティング部勤務を経て、美容コラムニストとして美容本を出すほか、女性誌編集者として毎月多くの美容記事を執筆。そのほか非常勤講師として化粧に関する講義を行うほか、化粧品メーカーと提携し、複数の商品開発を手掛けている。
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