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2019.4.22

ヘルスケアTipsVol.39トラベルレスキュー<前編>
知っておくと◎ 時差ボケ&急な眠気の対処法

日常を離れリフレッシュしたり、家族や友人との思い出づくりに、旅は最高の時間を提供してくれます。そんな特別で楽しいひとときを快適に過ごすために、今回は旅行中やその後に悩まされる睡眠トラブルの対処法を、青山・表参道 睡眠ストレスクリニックの中村真樹先生に伺いました。

【海外旅行】時差ボケを徹底撃退!

飛行機の中で睡眠をとったはずなのに、いつもとは生活のリズムが違うからとにかく眠い!「旅先での生活リズムになかなか慣れない」「帰国後は時差ボケで仕事中に眠くなってしまう…」そんな経験、誰にでもありますよね。こんな時はどうしたら良いのでしょうか。

出発前から体を慣らしておく

できれば、出発の1週間くらい前から現地時間に近い時間で生活をしてみます。少なくとも機内では、時計を旅先の時間に合わせて、到着先の夜の時間に合わせて睡眠をとるようにしてみましょう。旅行前に現地時間に体を慣らしておくことができれば、到着してすぐに旅行が楽しめるというメリットがあります。

帰国後の時差ボケには1~2時間程度の昼寝が効果的

少し昼寝をするようにしましょう。ただし、昼間に眠気がある場合でも、できるだけ長い昼寝はしないようにします。目安は1~2時間程度、午後3時までにとるようにするのがポイント。昼寝ができない方は、とにかく早めに帰宅して、夜しっかりまとめて寝るようにしましょう。

旅先でも帰国後も時差ボケをすぐに対処したいときは…

旅先でも帰国後も起きたらまず熱めのシャワーを浴びましょう。人は眠っているときは深部体温(内蔵体温)が低く、起きると上昇します。熱いシャワーを浴びることで、時差ボケで深部体温が上がり、「熱い」という刺激で目を覚めさせる(リフレッシュさせる)ことを期待した方法です。また食欲が無くても、フルーツやヨーグルトなどの軽食を摂ったり、コーヒーや紅茶などのカフェイン入りの飲み物で、眠気を紛らしてみるのも良いでしょう。朝食を摂ることやカフェインを摂取することで、体内時計がリセットされると言われています。カフェインは、それ自体が眠気を誘うアデノシンという物質を一時的に弱める作用がるので、眠気を軽減し、時差ボケで眠い頭を目覚めさせるサポートをしてくれます。

【国内旅行】運転中・渋滞中に睡魔が襲ってきたら?

車の運転中に、急激に睡魔が襲ってくるということもありますよね。特に渋滞中や長時間走行のシーンでは、疲労も溜まって余計に眠気を誘うものです。こんな時はどうしたら良いのでしょうか?

20分程度の仮眠をとる

とにかく眠くなったら一度寝てしまうことです。サービスエリアや、パーキングなどを利用して、20分程度の仮眠をとりましょう。一度生じた眠気は、すぐにはおさまらないので、寝てしまう方が手っ取り早く眠気を解消できます。一度寝てしまうとだんだん眠りは深くなり、たいてい20~30分経過すると「深睡眠」という深い眠りに落ちてしまいます。この深睡眠から目覚めるのはとてもきつく、目覚めたとしても眠気が尾を引いてしまうので、その前に目を覚ますのがコツです。

実は「ノンレム睡眠 = 脳も体も休む深い眠り」というのは厳密には誤解のある認識なのです。ノンレム睡眠には深さに合わせて3段階あり、一番浅いN1(ノンレム睡眠1)はレム睡眠同等、N2(ノンレム睡眠2)は最も深い眠りの50%前後、そして一番深いN3(ノンレム睡眠3)に分けられます。眠りに入るとすぐにノンレム睡眠になるため、30分以上仮眠してしまうとN3の状態に近くなり、そこで目覚めると眠気が残ってしまいます。N1、N2程度の睡眠でも「脳の疲労」はある程度改善すると言われているので、寝過ぎないように仮眠をとりましょう。

車内の温度を下げる

渋滞にハマってしまい、しかも駐車スペースが近くに無い状態ならば、車内の温度を下げるようにします。車内が暖かいと(心地よい環境で)眠気が強まってしまいます。寒すぎる所だと眠れないという経験をしたことがあると思いますが、「寒さ」という不快な刺激で眠気を抑えるという方法です。しかし、これは絶対に効果があるわけではありません。家族や友達が同乗しているのであれば、できるだけ会話をするなどして眠気を紛らわしましょう。

カフェイン摂取も効果的だが…

カフェイン飲料を飲むのも効果的です。しかし効果が出るまでに20分くらいかかり、さらには摂り過ぎによる動悸や不安感などの副作用もあるので、注意してください。日本ではカフェイン摂取における厳密な基準はありませんが、カナダでは成人では1日あたりカフェイン400mgまでとされています。例えばドリップコーヒーやインスタントコーヒーは100mlあたりカフェインが約60mg含まれており、マグカップの量なら一日に2~3杯程度が目安です。カフェインの有効時間(4~5時間)を考慮すると、夕方17時以降は摂らないことがおすすめです。

紅茶(150ml)はカフェイン30mg、ココア(150ml)は45mg程度、エナジードリンクは、主なものだと1本50mlですが、多いものになると1本で150mgも入っています。眠気覚ましに…と安易に市販のカフェイン入りのドリンク剤やカフェインタブレットを取り過ぎると、健康被害があるばかりか、死亡例も報告されているので注意してください。

※日本中毒学会(2017年7月発表)


いかがでしたか? 旅行で感じる時差ボケや急な眠気の対処法は、事前の準備と眠くなった時に無理をしないで体を休めることが大切ということです。旅行中や旅行後の生活を快適にするためにも、ぜひ実践してみてください。

取材/文:Yuki Oniishi

中村 真樹 医師

<話を伺ったのは>
青山・表参道 睡眠ストレスクリニック 院長
中村 真樹 医師

  • 東北大学医学部卒業、東北大学大学院医学系研究科修了後、東北大学病院精神科の助教・外来医長、東京医科大学睡眠学講座客員講師、睡眠総合ケアクリニック代々木・院長を経て、2017年6月に青山・表参道 睡眠ストレスクリニックを開院。
  • 2014年にNarcolepsy Network 29th Annual Conference, Researcher of the year award 2014 受賞。
  • 所属学会
  • 日本精神神経学会(専門医・指導医)
  • 日本睡眠学会(専門医、評議員)
  • 日本臨床神経生理学会(脳波専門医)
  • 日本生物学的精神医学会
  • 日本てんかん学会
  • 日本不安障害学会
  • 日本精神科診断学会
  • 日本ヒト脳機能マッピング学会

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